市場と分析

急成長の LeEco 楽視が財務危機か。CEOのJia氏は役員報酬1元に

2016年、世界中でもっともアクティブなスマートフォンメーカーといえば、おそらく中国のLeEcoではないかとおもいます。
この秋に発売された Le Pro 3 をはじめ Xiaomiを上回るコストパフォーマンスのハイスペックスマートフォンを送り出して、一躍、日本でも一部のガジェットマニアに話題になりました。
またアメリカにも進出を果たしました。

LeEcoは元々はLeTVという名前で、動画のストリーミング配信を行う会社です。
現在の社名に変更したのは今年の1月からで、スマートフォンだけでなくスマートテレビやスマート自転車、さらに自動運転の電気自動車にまで乗り出しています。
この夏にはアメリカのテレビメーカーVizioを20億円で買収。
さらにネバダ州でEV自動車工場の建設に10億ドルを投資しています。

LeEco USA

拡大する事業と不安定な社内

ですが、そんなLeEcoが財務危機にあるとBloombergが伝えています。
記事によると、CEOである Jia Yeuting(ジア・ユエティン賈躍亭 )氏から
従業員に宛てた手紙で、

事業拡大が急速すぎたが、我々は強力な資金源を持っておらず、今後は展開スピードを落とし、自身の報酬も1元とする。

と述べたとのこと。

急成長を続けるLeEcoですが、たしかに不審な影はここ最近、増えています。

  • 各部門の幹部が次々と辞めている
  • ネバダ州で建設中のEV工場で、工場の建設を請け負う業者に対する支払いが遅れている
  • 視察に本社を訪れた州の会計責任者が、CEOは財政的な裏付けを持っていないと発言
  • イベントで展示されているクルマはデザインだけで動かないと元幹部が暴露

等々、今年に入ってからも、これだけの不穏な話が列挙されます。

財務体質を改善できるか

WALL STREET JOURNAL によれば、LeEcoの財務は大半が借入金で、すでに12億ドル近い金額を資金調達しており、Jia氏の所有する株式を担保にもしているような状態だとのこと。

CEOのJia氏はプレゼンテーションも上手く、過激な発言を取り混ぜるなど、注目を浴びてきました。
一方で、取締役会が反対しても成長のために必要なことは実行していく、という発言のように、ワンマンな経営手法は疑問視もされています。

leeco_signage

仮に資金繰りを乗り切っても、Jia氏が力を入れている自動車製造には、LeEcoはノウハウもない状態です。
本来は動画配信の会社でありながらスマートフォン市場へ乗り出して成功したとはいえ、果たしてこれからもうまくいくかは不透明です。
今後、話題になっているスマートフォンの展開にも影響が出るのは必至でしょう。

あまりに急拡大をした企業が落とし穴に陥るのは世界的にもめずらしいことでもなく、今まさにかなり危険な綱渡りをしているのが、LeEcoの現状かもしれません。

参考リンク:
roubled Chinese Billionaire Reveals Cash Crunch at LeEco

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