市場と分析

モバイル向けSoCメーカーの現在地

2016/08/27

スマートフォンの性能を測る上で真っ先にチェックする項目がSoC(System on chip または System on a chip)という人は多いとおもいます。

モバイル向けのSoCはCPU、GPU、モデムなどの回路をひとつにしたチップです。
そのため、採用されているSoCにより、パフォーマンスや機能の予想がつくということもあり、きわめて重要な部分です。

モバイル向けSoCを製造しているメーカーは数社あり、それぞれメーカーごとの特徴があります。

クアルコム - Qualcomm -

Qualcommはアメリカの古くからある半導体メーカーです。
2016年夏時点で、QualcommのSoCはローエンドからハイエンドまでAndroid系スマートフォンで最大のシェアを誇っています。

Snapdragon
CPUはARMもしくは自社のチップを、GPUにはAMDから買収した技術を使用した自社のAdrenoを使用。
自社のチップはScorpion、Kraitという名称がつけられており、最新はKryo(クライヨ)。
最近のSoCは、モデム回路を搭載したモデルが型番がMSM、非搭載モデルがAPQと分かれています。
そもそもQualcommといえばモデムというイメージも。

現在のフラッグシップSoCはSnapdragon 820(MSM8996)
CPUは自社のクロック違いで、Kryo x2 + Kryo x2 のクアッド、GPUには Adreno 530 を搭載。
LTE-advancedはCat.12、LPDDR4対応。
各社のハイエンドクラスのアンドロイドスマートフォンで採用率が高いSoCです。

近々高速化されたSnapdragon821が登場するという噂。

メディアテック - MediaTek -

MediaTekは台湾の半導体メーカーです。
SoCはコストパフォーマンスの高さから、ミッドレンジからいわゆる格安スマホなどでよく採用されています。
ですが最近ではモバイル向けでは世界初のデカコア(10コア)内蔵のSoCなど、次第にハイスペック指向を強めています。

MediaTek
CPUはARM、GPUはイギリスのImaginationTechnologiesの PowerVR に加え近頃はARMのMaliの採用も行っています。

現在のフラッグシップSoCは Helio X20(MT6796) / X25(MT6797T) です。
CPUにARMの Cortex-A72 x2 + Coretex-A53 x4 + Coretex-A53 x4。
GPUに同じくARMの Mali-T880MP4。
LTE-AdvancedはCat.6対応。
LPDDR3がネックになりそう。

X25はX20の高速版で、来年には Helio X30 を出荷予定。

ハイシリコン - HiSilicon -

HiSiliconは中国の半導体メーカーです。
元々HuaweiのASCIデザインセンターであり、基本的にHiSiliconのSoCはHuaweiのスマートフォンに採用されています。

Hisilicon Kirin
CPUにはARM、GPUは同じくARMのMaliを採用。
早くからオクタコア化を進めており、同じくQualcommなどのオクタコアがはつねつにくるしむと比べて高スペックの割に発熱が低いのが特徴。
ただそのためか、全体的にやや3D性能が劣ります。

現在のフラッグシップSoCは、Kirin 950 / 955 です。
CPUにARMの Cortex-A72 x4 + Cortex-A53 x4。
GPUにもARMの Mali-T880 MP4。
LTE-AdvancedはCat.6対応。
似た構成のMediaTekのHelio X20よりCPUのコアが少ないのですが、メモリはLPDDR4対応です。

アップル - Apple -

Appleに関しては説明不要でしょう。
APPLEの Aシリーズは基本的にiPhoneのためにつくられているSoCで、常に高い性能を誇ってきました。

Apple A9
CPUはコア数をむやみに増やさない方針のようで、最近でもデュアルコアの構成で通しています。
シングルコアの性能ではモバイルチップでも頭ひとつ抜けた存在。
当初はARMを、A6以降は独自設計のものへと変更しています。

現在のフラッグシップSoCはApple A9
デュアルコアのCPU。
GPUにImaginationTechnologiesの PowerVR GT7600 のヘキサコア。
LPDDR4対応で、このA9からはモーションコプロセッサをも内蔵しています。

反対にこれまでのところモデムチップは内蔵されていませんが、チップのメーカーがQualcdommからINTELに変更され、SoCに組み込まれるというという噂もあります。
SamsongとTSMCとの2社が製造しています。

サムスン - Samsung -

Samsungも特に説明不要でしょうか。
Galaxyシリーズを中心としたモバイル向けにオリジナルのSoCを製造しています。

exynos
CPUはARM、GPUはARMのmaliがほとんどですが、PowerVRを採用したSoCもあります。
CPUは自社オリジナルのチップも開発され、最新のSoCには Exynos M1 とARMのCortexとの組み合わせとなっています。

基本的にはSamsungのモバイル機器ですが、Meizuなどにも採用されています。

現在のフラッグシップは Exynos 8 Octa (Exynos 8890)
CPUは Exynos M1 x4 + Cortex-A53 x4。
GPUはARMの Mali-T880。
LTE-AdvancedはCat.12/13に、メモリはLPDDR4対応。

同社のGalaxy S7 edge では、このExynos版とSnapdragon版がありますが、ベンチマークによってはSnapdragon820よりも高い成績を収めている結果もあります。

多くのメーカーは自社工場を持たないファブレス

この他、鳴り物入りで参入したnVidiaのTegraや、ZenFoneに採用されたINTELのATOMも有名でしたが、どちらもスマートフォン市場から撤退しています。

多くのメーカーは、設計をするだけで自社で工場を持たないファブレス企業です。
そのため、総合企業であるSamusungのように、自社で設計したSoCを自社の工場で製造をする一方で、ライバルであるAppleが設計したA9シリーズの製造をも請け負っているなど、複雑な状況も存在します。

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