市場と分析

旭硝子のDragontrailPro発売と、スマートフォン向けカバーガラス市場

AGC旭硝子が、自社のディスプレイ向け化学強化ガラスのDragontrailシリーズより、DragontrailProを発売します。
流行の2.5Dと呼ばれる曲面に仕上げられる部分の強度を向上させたタイプの、スマートフォン向けのカバーガラスです。

AGC旭硝子、化学強化用特殊ガラスDragontrail® Proを発売 ―更に強度を向上させ、スマートフォンのデザインの進化に貢献―(公式IR)
http://www.agc.com/news/20160915.pdf

AGC旭硝子 Dragontrail

カバーガラスのシェアを占めるコーニング、AGC、NEG

モバイル向け化学強化カバーガラスの分野は、GorillaGlassを有する米Corning社、日本のAGC旭硝子、そして同じく日本電気硝子(NEG)の3社でほぼ独占しています。

とはいうものの、ブランド力では圧倒的にがCorningのGorillaGlassが突出しており、Corningはカバーガラスのシェアの50%ほどを占めています。

初代iPhone登場時から、ポケットのなかでクルマのキーと一緒にしても傷がつかないガラスとしてGorillaGlassは有名となりました。
一方で旭硝子のDragontrailは2011年、日本電気硝子がDinoreXのにいたっては2014年ですので、ブランド化は遅れている状態です。

フラッグシップからミッドレンジのスマートフォンでは、スペック表に書かれるのはほとんどがGorillaGlassです。
以前は SONY の XperiaZシリーズ がDragontrailを、Samsung の Galaxy がDinoreXを採用していたこともあったのですが、最近の機種ではGorillaGlass の採用をうたっています。

AGC旭硝子 Dragontrail
Dragontrailは先日発表されたZTEの BladeV7 Max をはじめ、Alcatel の Onetouch Idol3 や Samsung の Galaxy J3 などの採用されていますし、またHuawei製品では特に記載がないカバーガラスは日本電気硝子製だと言われています。
しかしGorillaGlassと比べると、話題となる機種での採用はほとんどありませんし、売り文句として使われることもあまりありません。

このあたりのブランディング戦略は2社の今後の大きな鍵となりそうです。

ソーダライムガラスが台頭する

とはいえメーカーにとって、モバイル分野はまだ小さな市場です。
本来、上記の3社もディスプレイ用途の主軸は液晶テレビになります。
全体では、建材や自動車用途が圧倒的であり、トータルでの売上高の大半を占めています。

さらにカバーガラスではこうした化学強化ガラスではなく、一般的なソーダライムガラス(ソーダ石灰ガラス)の採用も拡大しています。
いわゆる格安スマホではコストの削減のため、GorillaGrassのような化学強化ガラスの採用は難くなります。
発展途上国でもスマートフォンの普及は続いており、今後、ソーダライムガラスのシェアは拡大していくのではないかと言われています。

初めてでもよくわかるAGC旭硝子2016年8月(公式IR)
http://www.agc.com/ir/pdf/company_introduction.pdf

平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要) ディスプレイ用ガラスの製造技術
https://www.jpo.go.jp/shiryou/pdf/gidou-houkoku/h27/27_12.pdf

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