通信環境の話題

公正取引委員会が競争政策の課題として指摘する日本の携帯市場の問題点

2016/08/13

2016年8月2日、公正取引委員会が携帯電話市場の競争における課題について、関係事業者などからヒアリングを行い検証を行った結果を発表しました。

携帯電話市場における競争政策上の課題について
携帯電話市場における競争政策上の課題について(公正取引委員会)

大手キャリアやメーカーの施策により、SIMフリースマートフォンやMVNO、その他アプリ等の事業への、市場の独占を防ぎ、競争を促進させるべき課題をまとめています。
課題としていますが、通信事業者や端末メーカーなど、市場への支配力を持つ企業による競争を阻害する行為について、独占禁止法の視点から指摘しています。

通信事業者、端末メーカーとしていますが、通信事業者はNTTドコモ、au、ソフトバンクの大手キャリア、メーカーは主にアップルを指しているのはほぼ間違いないとおもわれます。

簡単に要旨をまとめると以下の通りです。

【通信役務市場】
●端末と通信契約の一体化
端末を購入するのに通信サービスとの契約が前提であり、通信料金から端末価格を大幅に割り引くことにより、SIMフリースマホや、MVNOとの競争に優位な位置を占める。

●SIMロック
SIMロックにより移行コストを増加させ、大手キャリア同士やMVNOへの移行を阻害。

●2年縛り
解約条件が限られた長期契約に不当に高い契約解除料金を設定し、ユーザーを囲い込み。

●HLR/HSSの不当に厳しいアクセス制限
携帯電話番号や端末の所在地などの情報へのアクセスに不必要に高い条件を設定し、MVNOが独自SIMカード発行を阻止。

【端末市場】
●割賦契約による販売価格の拘束
端末の割賦契約の総額を固定し、実質的に販売代理店の販売価格を拘束。

●中古端末の流通阻止
中古の端末を不当に高い価格で大手キャリアやメーカーが買い取ることで中古市場への流通を阻止。
またメーカーが大手キャリアが下取りした端末の流通を禁止。

【アプリケーション市場】
●自社アプリのプリインストールと優遇
大手キャリアや端末メーカーが自社のアプリをプリインストールし、競合アプリを排除。

要約のため、あまり的を射てないところもありますので、上記の公正取引委員会の該当文書へのリンク先をご覧ください。
各自に独占禁止法のどの項目に違反するおそれがあるのかが記載されています。

なお文書の最後に、

独占禁止法に違反する疑いのある具体的な事実に接した場合には調査を行うとともに,違反する事実が認められたときには厳正に対処する。

とあり、この発表を受けて様々な憶測もなされていますが、今回の件で大手キャリアやメーカーが自主的にこれまでの悪習を捨て去るという希望は持てません。

上記の件はこれまでも何度となく指摘されてきたものの、そのたびごとにうわべだけの対策がなされ、次第になし崩しになるといういたちごっこが続いています。
2年縛り、SIMロック、特定の機種優遇をはじめ、実質0円が未だに続いているのが現状ですし、すでにauの田中会長も、上記の件には自社は該当していないと答えています。

もちろん大手キャリアも企業である以上、収益の確保に必死ですので、具体的な行動がない限り、これらの方針を改めることはないだろうとおもわれます。

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