市場と分析

ZenFone3の日本価格は本当に高いのか。他のSIMフリースマホとの比較とその理由の考察

ようやく発表されたZenFone3の日本販売ですが、その価格には不満の声が高く、台湾から直接輸入するとか、なかにはAsusのSNSに直接書き込む人もいるほどです。
実際、ZenFone3がどのくらい上乗せされているのか、他社と比べてどうなのかを簡単に計算してみます。

ASUS ZenFone3 ZS550KL
当然ですが、実際に為替レートがどの時点で反映されているのかは不明です。日本展開を決定した時期により、何ヶ月も前に為替予約などのリスクヘッジを行っているかもしれません。
日本で販売するにあたって、どの程度費用がかかっているのかは推測できません。技適申請、ローカライズ、倉庫代に輸送まで、さまざまな費用がかかりますが、日本はSIMフリースマホの市場が小さいため、他国よりも1台あたりの費用がかかっている可能性は高いとおもわれます。

本来ならば消費税、付加価値税を省いた価格で比較するべきでしょうが、計算が細かくなりすぎるため、税込価格で計算しています。
国ごとにより経済状況も市場も異なりますので、そのあたりは踏まえた上でお願いします。

最近日本で発売された主なSIMフリースマホ

ZenFone3 ZE550KL

モデル 現地価格 日本価格 1台湾ドルあたり
RAM3GB・ROM32GB 7,990台湾ドル 42,984円 5.38円

日本発表日2016年9月の台湾ドル/日本円相場
終値- 始値3.2626 高値3.3012 安値3.1805

レートを3.25円で考えると約1.65倍

ZTE Blade V7 Max

モデル 現地価格 日本価格 1元あたり
RAM3GB・ROM32GB 1,799元 37,584円 20.9円

日本発表日2016年9月の人民元/日本円相場
終値- 始値15.4680 高値15.6090 安値15.0050

レートを15.3円で考えると約1.36倍

Huawei P9

モデル 現地価格 日本価格 1元あたり
RAM3GB・ROM:32GB 3,188元 64,584円 20.25円

日本発表日2016年6月の人民元/日本円相場
終値15.5368 始値16.8053 高値16.8311 安値14.9835

レートを15.8円で考えると約1.28倍

ちなみにヨーロッパでは599ユーロ(VAT込み)

Huawei Honor8

モデル 現地価格 日本価格 1元あたり
RAM4GB・ROM32GB 2,299元 46,224円 20.1円

日本発表日2016年9月の人民元/日本円相場
終値- 始値15.4680 高値15.6090 安値15.0050

レートを15.3円で考えると約1.31倍

ちなみにヨーロッパでは399ユーロ(VAT込み)

Motorola MotoZ

モデル 現地価格 日本価格 1ドルあたり
624ドル 92,664円 148.5円

日本発表日2016年9月のドル/日本円相場
終値ー 始値103.32 高値104.32 安値100.10

レートを102円と考えると約1.45倍

飛び抜けているZenFoneの上乗せ率

こうしてみると、改めてZenFone3の上乗せ率の大きさを感じます。
同じ代理店が取り扱うMotoZもかなり高めの価格設定でしたが、それと比較してもZenFone3の上乗せ率は飛び抜けています。

またここにあげたHuaweiのP9は、発売後それほど期間が経たないうちに楽天モバイルのキャンペーンや、Amazon、Simsellerなどで1万円以上安く手に入れることができることを考えるとさらに差はひろがります。
それにユーロ圏など海外での価格は日本よりも高くなっています。

日本市場にコストをかけられないメーカー

ここまでZenFone3が高くなる理由としては、やはり代理店との兼ね合いが強いのではないかとおもいます。
Asusの場合、ニッチな日本市場をコストをかけて自らが積極的に動く意義はあまりなく、消費者から高額なマージンを取っても、流通を担ってくれる代理店はありがたい存在です。

このあたりの事情はジャンルが異なりますがPCパーツのアスク税と同じ問題を抱えているのでしょう。
「アスク税」とは何か ~ゲーマーのためのグラフィックスカード流通事情講座
http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20151114005/

反対に、たとえばHuaweiは、ビジネスはネットワークソリューションを始め高額な企業間取引が多岐にわたる上に、自社の製造するハードの部品を日本企業から多く調達しており、日本との取引総額はかなりのものになります。
自前でサポートセンターを設けたり、販売ネットワークを強化することは、直接的なSIMフリー端末の損益だけでなく、日本の国内で自社の知名度をアップさせるだけのメリットがあります。
そのため代理店の力にあまり頼る必要は少なくなります。

asus_image
とはいうものの、ZenFoneは日本のSIMフリー市場を切り開いたブランドでもあるので、Asusにはもう少しがんばってほしいところです。

ただ、Asusの広報の人には価格に関してなんの決定権もないとおもいます。
SNSで価格に対して意見を述べるのは大賛成ですが、突撃して汚い言葉でののしったりするのはむしろ逆効果ではと心配になります。

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